NTTコミュニケーションズグループ

四谷 英雅

PROFESSIONALS

国際海底ケーブルを俯瞰から見るために
能ある鷹は隠した爪を研ぎ続ける

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    カナダから帰国後、英語力を生かして新天地へ

    高校は普通科でした。まわりの友人たちが当たり前のように大学に進路を決める中、私にはその流れに乗る選択肢はありませんでした。どうしようかと考えたときに、「語学のひとつでも身に着けていたら将来的に役立つだろう」という軽い動機で海外への留学を決めました。幸い親の理解も得られ、高校卒業後に単身でカナダに渡り、語学教室とビジネススクールに通いました。カナダには4年ほど滞在し、あらためて日本の住みやすさを再認識して帰国しました。

    2001年に帰国後、当時住んでいた三重県伊勢市の通勤圏で英語力を生かせる仕事を探していたところ、いいタイミングでNTT西日本が志摩にランディングステーション(LS)を新たに立ち上げる話があり、とんとん拍子で働くことが決まりました。英語力には自信があったものの、当時はLSが国際海底ケーブルを引き上げる陸の拠点であることすら知りませんでした。まずは通訳メインで、技術的なことは働きながら徐々に覚えてくれればいいという条件にも恵まれたと思います。

    働き始めたころは覚えることが多く、自身のスキルアップで精いっぱいでした。先輩たちに迷惑をかけないよう、一刻も早く戦力として役立てるよう国際海底ケーブルの保守業務に打ち込みました。3年が過ぎたころ、一人前の作業員として業務を回せる現場力が身につきました。現場を回すことに慣れていくと、より幅広い業務を手がけたい気持ちが強くなっていきます。そこで徐々にスキルアップを図り、三重県内の伝送網設備の保守や、お客さまから預かっているコロケーション設備の保守、そして国際海底ケーブルNOC(ネットワークオペレーションセンター)と連携した運用など、業務領域を拡大していきました。

    立ち位置で変わるLS業務の深さにのめり込む

    入社から10年が過ぎたころ、志摩LSの業務はNTT西日本からNTT Comグループへの委託となりました。NTT西日本に残って地域の伝送網設備に携わる道もあったのですが、これまでやってきた国際海底ケーブルの業務に魅力を感じていたこともあり、NTT Comグループへの移籍を決断。このタイミングで、志摩LSのステーションマネージャーに就任することになります。

    LSは、日本から海外に続くネットワークの玄関先のようなものです。国際通信の99%以上は国際海底ケーブルが利用されており、その要の拠点となるLSのステーションマネージャーとして、いついかなるときでも海外とのコミュニケーションをつなぎ続けるという、強い使命感と責任感を持つようになりました。

    2015年、NTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)が志摩を含む4つのLS、NOCの保守を統括することになったタイミングで、コムエンジに入社しました。通常、志摩LSでは5名ほどで業務にあたっていたのですが、退職者が重なり、2名体制になった時期にケーブル故障が発生したことがあります。基本的にケーブル故障は修理船が対応するのですが、修理を終えるまでの間、通信パスを救済する現場作業はLSが行います。平時はともかく、このような有事には2名では回りません。幸いコムエンジの統括後だったため、ほかのLSから応援が駆けつけてくれて、事なきを得たことがありました。

    世界的な通信トラフィックの増大に伴い、現在も新たな国際海底ケーブルが敷設されています。2019年には、千葉県でも新丸山LSに加え、新しいケーブルを収容するために南房総に2つ目のLSが開局しました。両方を回す稼働について相談を受け、名乗りを上げて、2020年1月より新丸山と南房総のステーションマネージャーに就任し、いまに至ります。

    若いころには新しいスキルが身につくことに楽しさを感じ、現場力を身につけてチームを回せるようになると、他局と連携しながら成し遂げることにやりがいを感じてきました。さらにキャリアを重ねてくると、指導する後輩や部下の成長を見ることに大きな喜びを感じています。いまさらながら、LSの業務は実に奥が深いと思います。

    来るべき時節を待ち、つねに爪を研ぐ心意気

    来るべき時節を待ち、つねに爪を研ぐ心意気

    現在、コロナ禍で全社的なリモートワーク体制に移行している中、千葉の2局のみならず、いかに他局も巻き込んでコミュニケーションを円滑に図っていくかを試行錯誤しています。そこで活用しているのが各種ITツールです。ちょっとした要件でもリモート会議やチャット、音声通話をつなげば連絡できるため、以前より他局との連携は強化されたと感じています。LS各局の業務を他局から支援してもらう取り組みも始めており、うまくいけば少人数のチームでより効率的に仕事が回せるようになるでしょう。

    志摩から千葉に異動した際にも感じたのですが、LS各局の保守業務がコムエンジで統括されているとはいえ、データベースが集約されているわけではありません。資料の更新方法や作業の手順などは局によって異なるため、連携を強化してベストな方法や手順を見つけて平準化することが直近の改善課題です。今後の展望としては、LS、NOCとの相互支援体制を生かし、委託元のNTT Comや国内外のキャリア、ベンダーと密に協力しながら、業務範囲を拡大していきたいと考えています。そして国際海底ケーブル事業において、コムエンジが一目置かれる存在になることを目指しています。

    すべてのLSは海岸沿いにあり、一言でいえば田舎です(笑)。都会暮らしが好きな方は難しいかもしれませんが、のんびりとしたライフスタイルに興味がある方、マリンスポーツに興味がある方なら、絶好の環境でもあります。ちなみに、私はやりませんけれど。まずは英語力さえあればいいのです。国際海底ケーブルや伝送網設備に関するスキルは働きながら身につきますし、手順書などのマニュアルもそろっており、スタッフは教え上手が多いと感じています。先にお話ししたように、立ち位置によってやりがいが変化する奥深さもあり、望めば新たなチャレンジができる環境もあるのです。

    これまでの人生を振り返ると、タイミングが大切と感じた経験が多く、私は「物には時節」を座右の銘にしています。親の理解を得て語学留学できたこと、帰国後に通勤圏内にLSができたこと、コムエンジに移籍したこと・・・。いずれもタイミングに恵まれたターニングポイントだったと感じています。一心不乱に努力をしても、必ずしも報われるとは限りません。しかし、ふとしたタイミングで評価されることがあります。大切なのは時節を待ち、腐ることなく爪を研ぎ続けることではないでしょうか。

    ◇OFF TIME
    妻の仕事の都合もあり、先に単身赴任で千葉へ乗り込みました。久しぶりの一人暮らしで自炊にチャレンジしたのですが、長くは続かずコンビニ頼りになってしまいました(笑)。基本的に仕事でストレスがかからないので、リフレッシュは必要ないのですが、オフタイムは家で海外ドラマなどを見てのんびりしていることが多いですね。

    四谷 英雅

    PROFILE

    四谷 英雅

    2015年にNTTコムエンジニアリングに入社。志摩LSの開局からのキャリアを生かし、現在は千葉の新丸山LS、南房総LSを束ねるのステーションマネージャーとして保守業務にあたっている。生涯、国際海底ケーブルに関わる仕事を続ける意思のもと、より俯瞰から統制できる人物を目指す。

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