ドコモビジネス|NTTコム エンジニアリング

野村 悠子

未来ワーキング

幾多の試練も楽しめる圧倒的なバイタリティ
その輝きが未来を照らす道しるべになる

野村 悠子

演劇経験を糧に未知なるITのステージに立つ

演劇経験を糧に未知なるITのステージに立つ

演劇が好きで、大学卒業後は舞台女優を目指し、文学座附属演劇研究所で3年間演技の勉強をしました。300人が受けて60人しか入れない狭き門をクリアし、1年後の15人の選考に残ったものの、3年後の劇団員5人を選ぶ最終審査で落ちてしまいました。やり切った気持ちはありましたので、役者の夢はスパっとあきらめて求職活動を開始しました。

あるNTTグループ企業の面接を受けた際、履歴書を見た担当者が「演劇経験があるなら、人前で話すのは得意ですか」と、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の社内向けアクセスライン伝送装置の研修講師の業務を紹介してくれました。「採用時点では通信の知識がなくてもよい。その代わり50営業日のあいだに講義内容を覚えなさい」と。そこで、まっさらな気持ちで新しい世界に飛び込んでみることにしました。

ゼロから通信を学ぶのに苦心していたある日のこと、突然、研修でホワイトボードの前に立っている自分のイメージが浮かんだのです。その瞬間、「この仕事はできる!」と確信しました。勉強期間を終え、講師としてのキャリアがスタート。舞台度胸を生かし堂々と説明するよう心掛けたものの、相手は最前線の技術者です。当初「釈迦に説法」ではと感じていましたが、皆さん優しくて、間違いを正してくれたり、より深い技術について教えてくれたりしました。そのため、知識を得つつスキルを磨くことができました。

研修の仕事は10年ほど担当しました。その間にNTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)の派遣社員から契約社員になったのですが、その際の面談で、当時のコムエンジの幹部に「あなたは実務経験もなく研修をしていますが、あなたにしか出来ないと言えることを教えてください」と問われました。そこで、「私はどの研修においても、自分なりに台本を書き、どういう構成で何を話すか、演出プランも考えているので、どんな質問にも対応できます。」と断言しました(笑)。

研修から事業計画へ、上司に鍛えられグローバル事業の最前線へ

その後、社長室直下に研修センターが設立され、同僚たちはそちらへ異動しました。私は当時所属していたサービスネットワーク部企画部門に残り、とある部長の直属で事業計画策定に携わることになりました。その部長は典型的な九州男児で、指導の基本は「俺の背中を見て学べ」。指示も「あれはこう」「これはそう」など代名詞しか言ってくれません(笑)。

最初は右も左もわからず必死についていくだけでしたが、社内のさまざまな現場に同行させてもらう中で、コムエンジの広範にわたる業務を見聞きし、多くの部署の方とのつながりも生まれました。私は数字に弱いのですが、その一方で、会議などに出た抽象的な概念を聞いて具体的な図版や文書に落とし込むのが得意です。そこを重宝されて使ってもらい、育ててもらったと感じています。

研修も事業計画も、コムエンジにとってはいわばバックヤードのお仕事です。一度はフロントの現場で働きたいという思いを持っていたところ、現場へ異動する辞令が出ました。その異動先が現在所属する職場で、NTT Comのグローバルネットワーク回線を開通させるプロジェクトマネージャーを担当しています。海外キャリアにオーダーした回線をNTT Comのネットワークにつなぐ仕事です。国や地域によって法制度や商習慣が異なるので、うまく調整して納期に間に合わせることが求められます。

いまでも印象に残っているのが、とある製造業のお客さまの案件です。世界各地に点在する、オフィスや店舗の約100回線を新しいものに切り替えるというプロジェクトでした。小規模店舗ではIT担当者がいないこともあります。お客さまの機器でケーブルを差し替えていただく作業を、現地の販売員やメイクの専門家などにお願いすることになりました。その方に対して遠隔から電話一本で、そのうえ英語で指示を出すわけです。間違ったケーブルを抜いたり、まったく違うところに挿したりという事態も起こり得ます。遠隔でのコミュニケーションに苦労する反面、面白さややりがいも感じていました。海外のお客さまにこちらの意図が伝わり、作業がスムーズに進むと非常にうれしいです。

世界をつなぎ、お客さまのビジネスを支えている実感はあります。回線の納期が遅れる、あるいは停止することは、お客さまの事業に大きな打撃を与えます。その分、責任の重い仕事です。たとえ紆余曲折があったとしても、何事もなかったかのような涼しい顔で「終わりました」と伝える瞬間が快感です(笑)。

研修から事業計画へ、上司に鍛えられグローバル事業の最前線へ

私であることの輝きに満ちた未来を描きたい

私であることの輝きに満ちた未来を描きたい

いまでは日常的に海外の方とコミュニケーションを取っていますが、もともとは英語に対する苦手意識がありました。研修を担当していたころ、来日されたエンジニアのお客さまに対して、初歩的なことすら伝えられず悔しい思いをしました。そこで英語教材のCDを繰り返し聞いたり、ひたすら単語を覚えたり、マンツーマンのレッスンを受けたりして英語を身につけました。目の前の壁を突破できれば、新しい世界が広がります。私のキャリアは、慣れない現場に身体一つで飛び込み、もがきつつも楽しみながらものにしていくということの繰り返しでしたね(笑)。

正直なところ、「未来ワーキング」にアサインされた当初は戸惑いがありました。ほかのメンバーは頭の回転が早く、アイデアも豊富なのです。それでも、なにかしら私が呼ばれた理由があるはずという気持ちで、私らしく、私が感じたことは必ず伝えようという意気込みで挑みました。その結果、「やたらしゃべるやつがいる」と思われたようです(笑)。そういうキャラクターをメンバーが認めてくれたので、楽しくにぎやかに活動できています。

会社の未来に対する価値観や思いを全社員で共有することは、容易なことではありません。未来ワーキングでも、まずは社内で思いを共有して、次のステップで外部に広く発信していくことになるでしょう。私は自分が前面に出るよりも、才能ある人、素敵な人を前に押し出して、全体の調和を図る助演に回りたいですね。

最後に伝えたいことは、「コムエンジの最大の魅力は人にある」ということです。個性豊かな人たちから学びつつ、キャリアアップできる環境があります。これからコムエンジに来る人には、大きな希望があることを伝えたいです。仲間と一緒に働く楽しさを感じながら、自分らしさを出していける会社だと思っています。そうした自由な空気を認めてくれる人がたくさんいるので、私ものびのびやらせてもらっています。

座右の銘は「与えられた命を、最も輝かせて生きる」です。絵に描いたような素敵なキャリアウーマンを目指すのではなく、凹凸のある自分の個性を最大限に出したいと考えています。あるときは一生懸命だったり、ときにはのんびりしてたり、不器用なところも含めて、自分らしく輝きを放って生きていきたいです。

OFF TIME
ゴスペル、ピラティス、書道など、身体で何かを表現するのが好きです。ゴスペルでは、高音と低音をつなぐ真ん中のパートを担当し、2つの個性的な音の隙間を埋めて調和させることに喜びを感じています。それは仕事にも通じる感覚ですね。

野村 悠子

PROFILE

野村 悠子

2012年にNTTコムエンジニアリングに入社。社内研修、事業計画策定などのバックヤードで経験を積み、グローバルビジネスを支えるフロント業務に転身。大学では美学美術史学を専攻し、抽象的な概念を言語や図案に具現化するスキルは未来ワーキングの推進力になっている。

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