ドコモビジネス|NTTコム エンジニアリング

清水 信太郎

未来ワーキング

地球規模のビジネスを通じて得た無限の視野
その眼差しは世界を越えて宇宙を見据える

清水 信太郎

学びの場はアメリカと決めて単身海を渡る

学びの場はアメリカと決めて単身海を渡る

小学校の6年間、半ば強制的に親に剣道の道場に通わされました。冷暖房もない道場で防具をまとい、竹刀を振り続ける毎日です。当時は全く面白いと感じなかったのですが、いま思えば剣道を通して忍耐強さや集中力が身に着いたと感じています。道場に掲げられていた「和気満堂(和気堂に満つる)・文武両道」が、私の座右の銘です。和気満堂とは「部屋いっぱいの和やかな空気」を意味します。いまでも人が集う場の空気を大事にしています。

学生のころアメリカを訪ねた際、自由な空気感が肌に合い、この地で学んでみたいと強く思いました。高校時代は日常に物足りなさを感じていたこと、親元を離れて自立したかったこともあり、卒業後はアメリカの大学の経営学部に入学します。経営はもちろん、アメリカの歴史や会計学、数学などを幅広く学び、学位を取得後、帰国しました。

日本に戻ってからは、知人が営む宿泊施設で働き始めます。インバウンド需要が高まり始めたころで、利用者の大半は海外からのバックパッカーでした。さまざまな国や地域から訪れた旅行者をおもてなしする仕事は、人と接することが好きな私にはうってつけでした。英語力を生かし、出会いにも恵まれ、あっという間に5年が過ぎていました。

その間に結婚し、長男が生まれ、生活環境が大きく変わりました。この仕事を続けても家族を養うのは難しいのではないかと判断し、転職を決意します。新たな仕事を探していた時に、知人から紹介されたのがNTTのグループ会社です。NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)が提供するグローバルネットワークの回線オーダー発出・調整の仕事でした。これもきっと何かの縁だと思い、入社を決めました。

国境・人種の壁を越えた関係を築き、泥臭く働く

コミュニケーション力には自信があったものの、いきなり飛び込んだIT業界では、まず言葉がわかりませんでした(笑)。それでも専門用語や仕事の段取りなどを1つ1つ理解していくうちに、仕事がどんどん面白くなってきました。社会で仕事するうえでの基礎やビジネスの“いろは”のようなことは、すべてここで学んだと言えます。そして会社が合併され、導かれるようにNTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)の社員になっていました。

コムエンジに籍を置くようになってからも、グローバルネットワークの回線オーダーの仕事は変わりませんでした。世界中のパートナーから寄せられるサービスオーダーを日本で受注し、敷設先となる現地ユーザーに商材を送るために取りまとめる。いわばネットワークにおけるハブのような役割です。それこそ国籍や人種を越えた新たな出会いが多く、その方たちと一体感、連帯感をもって1つの目標に向かって案件を進めていくときに、大きなやりがいを感じていました。まさに地球規模の「和気満堂」ですね(笑)。

当時の業務プロセスは、非常に煩雑で、メールに添付されたエクセルの発注書をチェックして印刷し、ほかの社員が目視で確認するという紙ベースで業務が進められていました。このムダな稼働を減らすために、通常業務を回しながらツールを導入し、システム化によるプロセス改善に取り組みました。

さらにオフショア拠点に一部のオーダー業務を移管した際や、NTT Comが海外の企業を買収した際にも、業務プロセス整備や、ノウハウを移管先に伝える業務も担当しました。ここでも、中国やインドの方々との出会いがありました。シビアな利害関係がある中でも親交を深め、プライベートで自宅に招かれたり、地元のお祭りを案内してもらったり、人と人との付き合いができたことが、いまも私の財産になっています。

その後、顧客の品質要求に応えるための有料オプションサービス開発に携わり、お客さまのご要望に耳を傾け、不安を払しょくする提案を行うデリバリーマネージャーに就任します。こうして振り返ると、世界を舞台にしたかっこいい仕事に見えるかもしれませんが、実際はそうでもありません。深夜に電話や会議をし、まとまらないときには現地に足を運んで頭を下げることもあります。その姿を目にしたお客さまから「泥臭くて、かっこつけてなくて、いいですね。あなたの会社がパートナーで良かった」と声をかけられた際は、苦労が報われて心底うれしかったですね。

国境・人種の壁を越えた関係を築き、泥臭く働く

コムエンジのエンジニアリング力を世界へ宇宙へ発信したい

コムエンジのエンジニアリング力を世界へ宇宙へ発信したい

このままグローバルネットワーク担当を続けると思っていたのですが、新たな仕事として、ローカル5Gサービスの開発支援・検証業務に携わることになりました。グローバルな有線からドメスティックな無線へ、環境が180度変わったのです。

黎明期のソリューションであるため、多くは実証実験の段階ですが、受注した商材を納期通りに納品するために複数の協力会社と密に連携しながら取り組みを続ける毎日です。非常に大きな可能性を秘めたソリューションなので楽しく、やりがいも感じています。将来的にはローカル5G単体にとらわれず、複数の商材を組み合わせ、より大きなビジネスに成長させていくことを目指しています。もちろん回線のレイヤーに限らず、もっと視野を拡大して幅広いレイヤーに積極果敢に挑戦していくつもりです。

私は常々、一社員としてコムエンジの進むべき道を考えてきました。中堅・若手社員が主導して中長期の経営戦略を考える未来ワーキングが立ち上がり、メンバーにアサインされたときは「我が意を得たり」の気分でした(笑)。実際に参加して驚いたのは、私と同じ考えを持っているメンバーが多かったことです。あらためて、多くの熱い思いを持った社員がいるエネルギーに満ちた会社だと感じました。

私は「「DXを創出する」というサブワーキングに所属し、会社全体の業務プロセスの自動化、効率化を図るDXを生み出す取り組みを担当しています。もちろん将来的には社内で生まれたDXをパッケージ化して社外に売り出し、新規事業を生み出すことも見据えています。

日中、日露戦争を描いた司馬遼太郎の『坂の上の雲』は大好きな小説です。中でも陸軍の児玉源太郎の生き方や思想には感銘を受けました。固定概念にとらわれず、日本が滅亡から逃れられる方法を第一に考え、国士として命を賭した生き方にはかなり影響されています。いずれ私は日本ならではの良さを世界に発信し、後世に残していくような仕事をしたいと考えています。何なら、地球を飛び出して宇宙で仕事がしたい(笑)。それは、これまでコムエンジが培ってきた世界トップレベルのエンジニアリング力を展開していくことでもかなうのではと思っています。

OFF TIME
登山が趣味です。年に1度は長野の北アルプスなどを訪ねています。特に好きなのは槍ヶ岳で、日常生活にはない命の危険を感じる極限の環境に身を置くことができるからです。日常では、つい気を抜いてしまう、緩んでしまう自分を律するために登山は欠かせません。

清水 信太郎

PROFILE

清水 信太郎

2015年にNTTコムエンジニアリングに入社。グローバルネットワークのデリバリーマネージャーから一転し、現在はローカル5Gサービスの開発支援・検証に取り組んでいる。これまで多くの挑戦を続けてきたが、ときには失敗することも。その泥をかぶり、正しい道に導いてくれた歴代の上司に深く感謝している。

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