ドコモビジネス|NTTコム エンジニアリング

池田 貴之

未来ワーキング

自分が動き始めなければ世界は動かない
研鑽を怠らず野心とともに躊躇なく未来へ

池田 貴之

生え抜きのプロの背中から学んだもの

生え抜きのプロの背中から学んだもの

もともと人と接することが好きで、大学時代は塾講師からパチンコ店まで幅広いアルバイトを経験しました。なかでも、その後の方向を決めるきっかけとなったのが、大手家電量販店でPCの販売員として働いたことです。当時PCに興味はあったものの、ほぼ知識はゼロでした。販売する側になれば、自然と知識が身につくのではと思って、飛び込んだわけです。当時はフレッツ光、いわゆる光インターネット接続サービスが普及し始めたころで、回線を新規契約すると、PCが割引料金で購入できるという特典がありました。セット販売にあたり、独学でPCとインターネットの知識を習得しました。いちど興味を持つと、集中して勉強を続けるのは得意なほうですね。

PC販売員の経験を経て、より専門的なIT領域の仕事をしたいという思いが募っていきます。そこで、派遣社員としてNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の法人向け回線の申し込み受付業務、デリバリ業務などを担当しました。その後、さらに専門性の高い業務に携わりたいという思いを抱くようになり、現在も所属するNTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)のTOCボイスチームのPSTN網の監視保守オペレーションチームで働くことになります。

PSTN網とは、古くからある電話のネットワークのことです。チームには電話に何十年も前から携わっているベテランの方や、電電公社時代に入社した叩き上げの方々が多く在籍していました。皆さん気高さとプライドを持ち、仕事の品質に関しては1ミリも妥協しません。深夜でも休日でもお構いなしで、休憩も取らず一心不乱に仕事をするのです。そういう筋金入りのプロと一緒に働き、背中から学ぶうちに、いずれ日本のインフラを守る誇りある仕事をしたいと考えるようになります。その後、2年半派遣社員として働いた後、コムエンジの正社員になりました。

魅力あるチームづくりに向けたAI開発

正社員になってからは、2年ほど輪番オペレーターとして24時間365日体制の現場を回しました。交換機の故障が発生したら、速やかに原因を調査し修理の手配をして、お客さまにご迷惑をかけない対処を心掛けます。さらにサービス全体に影響が出るような故障の場合、通信ルートを変えて影響を最小化する手配をすることも重要です。いずれにしても1分、1秒でも早い対処が求められるので、仕事の速度や精度を上げるために、業務の傍ら人一倍勉強しました。新しい知識が増えて、仕事を回す領域が広がることは楽しくて仕方がありませんでした。

勉強の成果はてきめんで、次第に現場でも頼りにされることが多くなっていきました。いつしか輪番オペレーターからオペレーション支援に仕事も変わり、2019年にはチームリーダーに就任しました。現場のプロの背中に憧れて始めた仕事ですが、時代が変わり、立場も変われば、見え方も変わってきます。「先輩の背中で学べ、(分厚いマニュアルを渡して)明日までに覚えてこい」では、いまの若い人は付いてきません(笑)。そこで、マニュアルをわかりやすい動画にして、できるだけ簡単に知識やノウハウが習得できるような仕組みづくりに取り組んでいます。

PSTN網の監視保守は、日本のインフラを支えるとてもやりがいのある仕事です。一方で現在PSTN網からIP網への移行が進んでいることもあり、チーム内の若い社員ほど将来が見えにくく、不安もあるというのが事実でしょう。そこで魅力あるチームづくりに向けて、通常業務とは別に自動化担当メンバーを募り、国際電話の不正発信を検知するAIアプリケーションを開発しました。私は考える前に動く性分ですが、このような突飛な挑戦を受け入れてくれる懐の深さが、コムエンジにはあります。

AIによる自動化の取り組みは社内的にも評価され、結果的に社長表彰で最優秀賞をいただけたことは大きな収穫でした。通常の監視保守に加え、自分たちで考えた新しいことに挑戦して収益拡大につなげていく。いずれは“二足のわらじ”を履く魅力的なチームに進化させていきたいと考えています。

魅力あるチームづくりに向けたAI開発

未来ワーキングが意識変革の呼び水に

未来ワーキングが意識変革の呼び水に

「未来ワーキング」については、おそらくAIによる自動化に挑戦したことがアサインされた最大の理由かと思います。正直、当初は「レガシー領域の自分が参加するのは場違いなのでは?」という不安もありました。ところが実際に参加してみると、メンバーと未来について協議することで刺激を受け、視野が広がりました。

未来ワーキングに参加したことで、これからのビジネスに関する多くの学びがありました。なかでもSDGsの世界的なトレンドや、トヨタのウーブンシティ構想、PayPayの先行投資など、社会や先見性のある企業の多くは、未来に向けて動き出していることに気づけたことが大きいですね。

未来ワーキングの活動を通じて社内外の現状を把握した結果、全社的なDXの必要性を感じました。現状は組織の末端に行くほどデータ管理がバラバラで、各現場でツールを内製する部分最適化が進んでいます。もっと本質的、革新的なDXを推し進めるカギは、経営層がリアルタイムな経営判断に使えるようなデータの抽出や、社内で利活用できる全体最適化された基盤の構築だということに気づきました。

私を含め、コムエンジの社員は総じてプロ意識が高いと感じます。所掌の範囲であれば案件に対して真摯に臨み、最大限努力する社員が多く、いざというときには一致団結して難局を打開するパワーも持っています。ただし、日々の多忙な現場で業務に取り組むあまり、なかなか新しい事業につながる発想にまで考えが及ばない面もあり、そこに危機感を感じているのも事実です。

今までは音声系の保守業務をとことん究めることを目標としていましたが、未来ワーキングに参加したことで意識が大きく変わりました。新たな目標は、斬新なアイデアをかたちにしてコムエンジの収益を上げるスキームをつくる業務に携わることです。現在は知見を広げる時期で、プログラミングを学び、クラウドサーバーの知識を習得するなど、来るべき未来の準備を進めています。そして機が熟したら、「世界を動かそうと思うなら、まず自分を動かせ」という座右の銘を胸に、たとえ未知・未経験の領域であっても見る前に跳ぶ覚悟があります。

OFF TIME
盆栽が趣味です。世界的に日本文化に注目が集まる中、国内にプレイヤーが少ない盆栽を盛り上げていくという夢を抱いています。最近、保護犬の柴犬を飼い始めました。将来は自然に囲まれた田舎に移住し、盆栽を愛でつつ、柴犬と戯れる“和”にあふれた日々を送りたいと思っています。

池田 貴之

PROFILE

池田 貴之

2017年、NTTコムエンジニアリングに入社。サービスネットワーク部門 保全ユニットでPSTN監視保守オペレーションチームに所属している。日々の業務を堅実に回しながら、AIで不正発信を検知するアプリケーションの開発を主導したバイタリティ、アジリティの持ち主である。

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