ドコモビジネス|NTTコム エンジニアリング

関根 正弘

EXPERT

サーバルームの物理的設備を支える門番
挑戦のチャンスボールは逃さず打ち返したい

関根 正弘

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  • 中学からバレーボールで汗を流し、<br>就職は成長が期待されたIT業界に

    中学からバレーボールで汗を流し、
    就職は成長が期待されたIT業界に

    中学校・高校では、バレーボール部に所属し、ほぼ休みなくボールを追いかけていた日々を過ごしました。高校卒業後は、「不動産学部」という当時日本で唯一の学部に興味を持ったことがきっかけで、大学の不動産学部に進学しました。とはいえ、不動産業界を目指していたわけではなかったので、あまり熱心とは言えませんでした。ただし、子どものころから、プラモデルやラジコンを作るのが好きだったので、ものづくりに近い建築学の講義はきちんと受けていました。一方で宅配ピザのアルバイトにも精を出し、バイト仲間とバレーボールサークルを結成して、毎週のようにバレーボールを楽しんでいました。

    卒業が迫り、就活シーズンを迎えたころ、いろいろな業界の募集要項を見て惹かれたのがIT業界です。当時はWindows3.1がリリースされたばかりで、この業界はこれから伸びるだろうという思いから、PC販売やネットワーク構築などを手掛ける企業に入社しました。

    初年度の営業担当の次に担当したのは、企業の内線電話に使われる電話交換機(PBX)の設計・構築でした。仕事は充実していたのですが、工事がお客さまの営業時間外になるため、年末年始休暇も夏休みも無く、深夜の作業も当たり前という状況でした。7年ほど頑張ったのですが、30歳が目前に迫ったころ、今後も続けるのは難しいと考え、転職を決意します。その後、NTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)の業務委託でNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の通信サービスの設計に2年ほど従事し、2006年よりコムエンジの正社員になりました。

    マニュアルに頼らず
    果敢な挑戦でTIEを革新する

    コムエンジの正社員として最初に担当したのが、NTT Comのデータセンター構築業務でした。お客さまラックの在庫管理に加えて、ルームが手狭になってきたら新しいルームをつくる構築作業に従事します。その後、ルームに加えて、データセンターの建物に対するセキュリティ構築にも携わることになり、構築や説明会などで全国のデータセンターを回るようになりました。

    ビルの物理的なセキュリティ構築は奥が深く、多岐にわたる仕様の検討が求められます。実はピザの配達をしているとき、表の出入口がオートロックでも裏口からたやすく入れたりしたことがありました。しかしながら単純に扉を厳重にすればいいわけではなく、人の動線を考える必要もあります。たとえば人の出入りが多いコールセンターなどでは、出入口のセキュリティを固め過ぎてしまうと出退勤時に人の渋滞が起きてしまい、業務に支障が出ます。さらに、地震や火災などの避難時の導線も重要です。現地のビルを訪問して、一日、人の流れを分析することもありました。このタイミングで、大学で受けた建築学の知識が役立ったことは意外でしたね。

    そんな中、苦い失敗談もあります。マニュアルに沿ってセキュリティに関する仕様確定を行ったのですが、そのマニュアルが古いバージョンだったため、多くの手戻りを発生させてしまったのです。そのときは、新入社員のようなミスに真っ青になりました。この件では、「マニュアル通りだから、間違いは無い」ではなく、しっかりと内容を理解した上で作業を進める重要さを学びました。

    その後、「新TIE(タイ)設備」の構築業務を担当します。TIEにはネク“タイ”同様、「結ぶ、つなぐ」といった意味があります。サーバルームのフロア間やルーム間、ルーム内の壁を挟んだ区画間に光回線を通してつなぐ作業です。具体的には床下や壁の貫通口を利用し光回線を通すのですが、将来的な需要を予測しつつ、バックアップ用回線も用意するため、ゆとりを持たせた構築が必要です。とはいえ建物の耐震性を考えると、やたらと穴を開けるわけにもいきません。さまざまな関係者にヒアリングし、お客さまの事業計画などを照合し、期間や容量を見極めることが大切です。

    そのような構築現場の状況を踏まえて、使われていない古い回線をすべて撤去し、新たな大容量回線に置き換える提案を行いました。これは、通信設備の運用管理・構築における効率化や、設備投資の抑制・最適化を目指す新しいTIE設備の仕様でした。現場から「とても助かった」という声をいただき、大きな達成感を得られました。この件は、まさにマニュアル通りでは達成できなかったと感じています。

    社会の縁の下を支え続ける<br>挑戦者の心意気を伝えたい

    社会の縁の下を支え続ける
    挑戦者の心意気を伝えたい

    現在は新TIE設備の構築に加えて、キャリアコロケーション業務も兼務しています。キャリアのお客さま向けのコロケーションルームを構築するのですが、機械室の空きスペースを貸し出すことで、利益の創出を図る試みです。表には見えにくい、縁の下のマニアックな業務ばかりですが、自ら望んだ道なので満足しています(笑)。新しいことに挑戦できる喜びもありますし、(起こらないことに越したことはないのですが)震災や豪雨といった災害発生時に、いち早く被災した回線を別経路に迂回させたり、復旧させたりする際は、ITインフラを通して社会を支えていることが実感できます。

    現在、これまで私が培ってきたスキルやノウハウを若い社員に展開する人材育成にも力を入れています。各ビルやフロアの構成図をつくり、誰もが確認できる現場の見える化に加え、日進月歩で進化する光回線の知識をキャッチアップしてチームで共有する取り組みを行っています。そこには、私自身が体験してきた挑戦する喜びや楽しさをみんなで共有したいという思いがあります。

    昨年7月の再編で、コムエンジからドコモグループの一員になりましたので、今後はドコモグループとしてのシナジー効果を生む新たな挑戦をしたいと考えています。さらに中長期的には、ゼロエミッションの実現に向けて使用済み光回線を再利用する施策も進めています。

    座右の銘は、学生時代に好きだった曲の歌詞にあった「体面体裁」です。いまあらためて考えると、表層的に対面体裁を保つには相応の準備が必要だということを実感できるようになりました。自分に置き換えると、通常の業務遂行に加えて、コンプラ遵守やセキュリティ強化のための努力を重ねることではじめて実現できるわけです。そのようなことを感じてから、自分にとって一層重みのある言葉となりました。

    OFF TIME
    一年ほど前、中学生から30代くらいまで続けていたバレーボールを再開しました。リモートワークでの運動不足解消も兼ねて、地元チームに所属し、大会にも参加しています。もうひとつ、家族ぐるみで『名探偵コナン』が好きで、単行本は全巻そろえていて、アニメも再放送がある度に家族で繰り返し鑑賞しています。いまでも新作の映画が公開されると、家族全員で観に行っています。

    関根 正弘

    PROFILE

    関根 正弘

    2006年にNTTコムエンジニアリングに入社。データセンター構築やラック構築、ビルセキュリティ構築を経て、現在は新TIE設備の構築業務とキャリアコロケーション業務を兼務する。ものづくりにこだわり、挑戦する姿勢を崩さないスタンスで、ドコモグループでのさらなる飛躍を目指す。団体競技の経験を生かし、チームの力を底上げする人材育成にも注力している。

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