追い込まれるほど燃える闘志を胸に理系の道を進む
中学・高校はひたすら柔道に打ち込みました。特に自分を追い込む筋トレが好きで、忍耐力や我慢強さのベースは筋トレで培われたと思います。柔道の傍ら、将来のこともしっかり考えて高校は理系に進みました。いまでは「リケジョ」という言葉は一般的ですが、当時、理系に進む女性は少なかったため、先陣を切って挑戦したいという気持ちがありました。
高校卒業後は大学に進み、ネットワークやプログラミングといったIT系の知識や技術と学びました。もともとITが得意だったわけではなく、PCがフリーズした際の強制終了さえままならなかったのですが、物怖じすることなく、「まずやってみる」の精神で学業面の試練をクリアしていきます。最終的には情報科と数学科の高等科教育免許を取得し、卒業後は通信機器の販売会社に就職します。ところが、その会社がイケイケの体育会系だったのです(笑)。
入社後の研修合宿では喉がちぎれそうになるほど叫ばされ、1位を獲ることの重要性を徹底的に叩き込まれました。現場に配属されてからは、法人のお客さまに営業の電話をかけて、アポが取れたら訪問して提案を行う日々です。月初に達成件数のコミットを設定し、それにもとづき、毎日始業時に「オス!本日のコミットは〇件です!」と宣言し、終業時に達成状況を報告しました。たとえ無理筋であっても、どうすれば受注できるかを考え、実践するのが私の性分です。おかげで営業成績は優秀で、大きな成果を上げることができました。
それでも、ITの知識や技術よりも数字重視の営業スキルが求められる仕事に疑問を感じ、貪欲に数字を追う日々や、休みも取れない状況に不安を感じて半年ほどで退職します。しかし転職活動では、前職のキャリアから斡旋されるのは営業職ばかりです。まずは実績を積む必要性を肌で感じ、NTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)で派遣社員として働く決断をしました。
改善の成果に“魔法をかける”プレゼンの極意とは
派遣社員として配属されたのは、コムエンジのSOデリバリユニットです。お客さま拠点に設置するルーターなどの端末の設定、出荷、工事の手配などを行うCPE担当として働くことになりました。ほどなく新サービスの導入が決まったため、運用の施策検討や海外顧客への輸出配送手続きなどを調べたことが契機となり、CPEライン業務全体を視野に入れた総括業務を任せられるようになります。
その後、物流・在庫管理の効率化に向けた改善活動を手がけ、数字的にも結果を出し、大きな達成感を得ました。ここで「さらなる改善に向けて長期的、広い領域で取り組みたい」という思いが芽生え、コムエンジに正社員として入社します。
入社後、いちばん印象に残っているのは「納期回答業務の自動化」という改善施策です。従来、確定した工事の日時・人員などを営業担当に連絡する工程では、専任の担当者が1件1件、間違いがないかを目視で確認し、手作業で入力を行っていました。この工程のデータを抽出し、パターン化してツールに落とし込むことで、無人化・自動化を図ったのです。そして、これがきっかけとなり、CPEライン業務全体でアラーム検知できる仕組みづくりに発展させることができました。
この改善活動によって、SOデリバリ内のアイデア事例発表会で最優秀賞、3部合同の事例発表会で優秀賞を受賞。さらにはNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の「KAIZEN Summit」にも出場します。担当部署を代表してプレゼンするプレッシャーの中、みんなの頑張りを無駄にしたくない、さらに見る方に楽しんでもらいたいという一心で臨んだことがいい結果につながったのでしょう。まるで高校野球で地区予選を勝ち抜き、甲子園に出場するような感動が得られました(笑)。
後日、私のプレゼンが「聞く人を酔わせ、魔法をかける」と称されたようですが、そこまで大層なものではありません。CPEラインの業務を知らない方が見てもわかりやすく、楽しめることを心掛けただけです。毎回、プレゼンのストーリーラインをつくり、細かな演出や台詞などに力を入れています。ここが悩みどころでもあり、腕の見せどころでもあります。やらない限りはできるようにならない。果敢に挑戦すれば、必ずいい結果がついてくると信じて臨んでいます。
若手社員よ、私の背中を見て羽ばたいていけ
現在、私の業務はオンサイト工事の日時調整や発注が主ですが、6つの担当チームで構成されるCPEラインの業務を見据えた、業務改善の支援などにも関わっています。各担当の課題を取りまとめ、いかに課題解決に向けて効率化を図っていくかが主なミッションです。さらに、CPE内に限らず、SOデリバリ全体の生産性、品質向上に向けた「見える化」を推進する施策にも携わっています。
「未来ワーキング」にアサインされたのは、おそらく社内・グループ内の受賞実績が決め手になったのだと思います。自画自賛ですが、社内的に顔は売れたかなと(笑)。それはさておき、未来ワーキングは、メンバーが持ち寄った夢をリアルに実現できる場だと思っています。しかし、その具体的な取り組みの中身があまり全社的に認知されていません。そこで、現在は複数のメンバーと一緒に社内サイトでの情報発信や、ノベルティを用意してアンケートの回答率を上げるなどのPR活動に注力しています。広く認知してもらうことで、「夢持てるコムエンジ」になることを期待しています。
NTTグループ内において、コムエンジの認知度はそれほど高い方ではありません。おそらく、若手社員の中には多少の劣等感を抱えて働いている方もいるのではないでしょうか。そんなネガティブなイメージを払しょくするまで、私のチャレンジは終わりません。社内のキーマンと積極的に連携し、長所を吸収しながら成長を続けます。そして、いつか私が築いたコネクションや知見とコムエンジの技術力を掛け合わせて、コムエンジが独立的に稼げる新しい仕組みを生み出すことが夢です。
諦めずに頑張れば評価され、昇進できる先例をつくり、未来を担う若い社員たちが希望を持てるロールモデルとなる人材を目指しています。言葉でいうのは簡単ですが、実行するのは困難です。それでも、生涯プレーヤーとしてチャレンジを続けて、前進していこうと考えています。やらずに後悔するくらいなら、まずはやる人生の方が絶対に楽しいと思うからです。
OFF TIME
人と会うことが難しい最近は、水引づくりに熱中しています。祝儀袋などに掛けられる飾りひもと言えば、わかるのでは。以前、水引の産地を旅した際にハマって、お祝い事などではプレゼントに添えて贈るようにしています。作業に没頭すると無心になれるので、いい気分転換にもなります。
PROFILE
見瀧 真奈
2016年、NTTコムエンジニアリングに入社。SOデリバリユニットのCPE担当として現在はオンサイトの稼働調整や発注を受け持っている。常に楽しくチャレンジすることをモットーに、部署内の業務改善にも積極的に関わり、輝かしい受賞歴を持つ。