国際交流の経験を生かしグローバルの業務へ
広島で生まれ、大学卒業まで過ごしました。大学では外国の方たちとの交流をきっかけに、日本語教育コースに進み、留学生や日本に来て働いている人たちと、幅広く交流することができました。異文化交流の一環で、10カ月ほどポーランドに滞在したこともあります。日本語教育コースの卒業生は、日本語学校で外国人に日本語を教える人もいれば、中学や高校の国語の先生になる人もいます。もちろん一般企業を目指す人も多く、私もグローバルに関わる仕事に就きたいと思い、地元企業から就活を始めました。
就活イベントでNTTドコモビジネスエンジニアリング(以下、dBE)に出会います。通常、面接では自己アピールが求められるものと考えていたのですが、dBEの面接は異なっており、国内外で社会的意義のある業務を担っていることや、エンジニアという仕事の面白さなどを熱く語られて、気づくとdBEのことが好きになり、この会社で働いてみたいと思いました。
こうして働くことになるものの、入社時の肩書きが「ICTエンジニア」となっていて、少し不安になりました。その際に言われたのは、「学生時代にITを学んでいても、現場ではまったく違う知識や技術が求められるので、入社してから積極的に知識や技術を学ぶ姿勢があればいい。皆さん自分の個性や強みを発揮できる場を見つけているから、大丈夫」と言われました。その言葉で覚悟を決めて、エンジニアの一歩を踏み出しました。
世界の価値観に触れながら現地作業主義を貫く
入社してから現在まで、サービスネットワーク部の保全ユニットに所属しています。グローバルネットワークサービスの日本拠点の構築業務を担当しており、業務はサービスに必要な機器の購入や拠点への導入、海外拠点と日本を接続するネットワーク構築のサポートなど多岐にわたります。海外のサービス主幹組織と連携しながら、長期的なプロジェクトを達成することがチームのミッションです。こう言うと聞こえがいいのですが、分かりやすく言うと日本拠点における“なんでも屋”さんです(笑)。
主幹組織とのコミュニケーションは、ほぼ英語メールです。英語自体は問題ないのですが、国ごとの文化や価値観の違いに戸惑うこともあります。たとえば日本では漏れがないよう時間をかけて丁寧に行っている作業が、海外の場合はとにかくスピード重視で、最終的にうまくいけばOKという考え方になっていることも多いです。このような異なる価値観をすり合わせて、お互いの落としどころを探り、プロジェクトを進めていくことに仕事の醍醐味があります。
とはいえ、私自身は現地作業が好きで、現場に出向くとよりやりがいを感じます。なぜなら、担当するサービスを構成する装置やケーブルに触れることができて、サービスを支えていることを実感できるからです。入社間もないころ、現地で作業手順を間違ってしまい、あわやサービスに影響が出そうなトラブルが発生しました。すぐに先輩に連絡をとり、アドバイスを得て大事には至りませんでしたが、チーム連携の重要性と、失敗を乗り越えていくことでスキルや応用力が身に付いていくことを学びました。
本務にとは別に、昨年から国際的な社会問題をITの力で解決する「SDGsアクションプログラム」の取り組みも兼務しています。現在、担当しているのはネパールのゴミ問題です。急速に社会情勢が変化しているネパールでは、ゴミ処理施設の整備が後手に回っています。この問題を解決するべく取り組んでいるのですが、社会問題に立ち向かうことの難しさを痛感しています。お金や時間をかければ解決はできますが、別角度のアイデアで解決するのは至難の業です。だからこそ、やりがいがあります。
難易度の高い挑戦を成長の糧にする
未来ワーキングは、以前から存在は知っていました。参加を打診されたときは、本務に加え、兼務もあるのでいったんお断りしようかとも考えましたが、上司から背中を押されて参加することになります。いまでは、参加して本当に良かったと思っています。組織横断型の取り組みは本務では得られない経験ですし、行動力のあるメンバーと活動することで多くの学びや気づきも得ています。
未来ワーキングの活動では、自分が出せる強みや提供できる付加価値は何かを考えて行動するようにしています。中でも力を入れていることは、メンバーがのびのびと活動できる雰囲気づくりです。そのため、積極的に意見を出して、ミーティングの場などを動かすことを心がけています。未来ワーキングの活動は自分たちの取り組みで組織を変革できるチャンスです。メンバーが力を合わせて、さまざまな社内のニーズや課題を吸い上げ、解決や改善を推し進めていく挑戦でもあります。ここでメンバーとともに実績をつくり、その経験を本務に持ち帰って、グローバル業務に関わるスタッフがより働きやすくなる業務プロセスの改善活動にも取り組みたいと考えています。
入社してから、ずっと同じサービスを担当していますので、自身の成長のために新たな業務に挑戦したいという思いもあります。甘んじている気持ちはないのですが、本務の仕事も慣れてきて、知らない間にぬるま湯に浸かっているかもしれないという危惧があるのです。その思いを払しょくするために、新たな業務にも挑戦したいという気持ちが大きくなりつつあります。グローバルな業務に携わるエンジニアとして成長したい思いから、新しいネットワークに関する資格取得にも挑戦しています。いま以上に仕事の質を高め、自分の強みを増やしたいと考えています。
座右の銘は「やらぬ後悔よりやる後悔」です。本務や兼務など、dBEには挑戦の選択肢がいろいろあります。そういった挑戦を後押ししてくれる社風もあります。目の前に手を出すのが大変そうなことがあったとしても、誰かがやってくれるのを待つのではなく、自らが率先してやってみる。それが、結果的に新しい学びや気づきを得られる経験につながっていくと思っています。確かにSDGsも未来ワーキングも一度は躊躇しましたが、参加することで新しい世界が見えてきました。次はかなり難易度の高いミッションをアサインされても、気後れすることなく、勇気を出して挑みたいと思っています。やってみて後悔することもあるでしょうが、やらないで後悔するより、はるかにいい未来につながると信じているからです。
OFF TIME
週末は、自宅でゆっくり、のんびり過ごしていることが多いです。PCゲームをすることもあり、最近は格闘系のゲームにハマっています。長期休暇が取れたら、海外旅行にも行きたいです。SDGsの取り組みでネパールを訪問してアジアの面白さを知ったので、アジア諸国を回りたいと思っています。
PROFILE
中原 佳保
2018年、ICTエンジニアとしてNTTドコモビジネスエンジニアリングに入社。グローバルネットワークサービスの日本拠点の構築業務という本務の傍ら、SDGsアクションプログラム、未来ワーキングなどを兼務している。エンジニアとしてのスキルアップを目指し、常に新たな資格取得などの挑戦を続けている。