ロボット開発でエンジニアとしての技術を磨く
出身は岡山県で、小さいころは田んぼで蛙をつかまえたり、野山を駆け回ったりしていました。小学校でサッカー、中学校ではバレーバールをするなど、スポーツに取り組む一方、いちばん好きなことは、絵を描いたり、何かを工作したりする“ものづくり”でした。中学卒業後、社会課題を解決する専門的な技術を身につけるために高専に進み、情報工学部でIT全般やプログラミングを学んだ後、組み込みシステムを専攻しました。ロボットなどの機械をプログラムで動かすことが面白く、プログラムの問題点や改善点を見つけて調整したり、書き換えたり、試行錯誤の末にロボットが思い通りに動いた瞬間は最高に楽しかったです。
高専ではロボコンにも挑戦していて、中国地方大会で特別賞を受賞した経験もあります。トラブルにもめげず、楽しそうに頑張る姿で会場を大いに盛り上げたことが受賞理由でしたが(笑)。ロボット好きが高じて、卒業検定では高齢化と人手不足が進む農業の課題を解決したい思いから、農業ロボットづくりに挑戦しました。高専の敷地に田んぼをつくることから始めて、多種多様なセンサーを駆使して自動で田植えをするロボットです。遊びとアルバイト三昧の高専時代でしたが、友人と楽しい時間を過ごしたり、ロボットなどの好きなことに打ち込めた日々はとても充実していました。
就活は、社会課題をITで解決するエンジニアになりたい思いがあったため、IT系企業に絞りました。高専生を対象とした合同企業説明会でNTTドコモビジネスエンジニアリング(以下、dBE)のブースを訪ねたとき、お会いした先輩社員の言動に心を奪われました。自信に満ちた空気感をまとっていて、笑顔がキラキラしていて、非常に魅力的でした。会社のビジョンや福利厚生面なども理由ではありましたが、自分も先輩のようになりたいと思い、dBEに入社しました。ちなみに、その先輩とはいまでもお酒を飲みに行ったりしています。
顧客対応、工事統制を糧に
デリバリ管理を俯瞰する
最初に配属された部門では、プリセールスエンジニアを担当しました。営業担当と一緒にお客さまを訪問し、技術的な知識を駆使してサービス受注を支援する仕事です。6年ほど担当したのですが、キャリアの第1歩としては理想的だったと思っています。それは、目指すべきビジネスパーソン像が明確になったからです。お客さまの反応をリアルタイムに受け取れる楽しさや信頼関係を築くことの難しさ、自分の提案がきっかけで受注につながったときの喜びなど、お客さまと関わって学んだことは、大きな財産になっています。
次の配属は、SO(サービスオーダー)フロントでした。一般的にはお客さまからのオーダーを最初に受け取り、さまざまな調整をしてから後ろの工程に流していく仕事なのですが、私の場合は、配属後すぐに大規模プロジェクトを担当することになりました。大手コンビニチェーンの全国約16,000店舗のWi-Fi環境を刷新するというもので、多い日には一日に約200店舗で工事が行われました。私の担当は工事の進捗を管理して、トラブル発生時には迅速に対処する工事統制です。何かと困難は多かったのですが、大きなトラブルもなく無事にプロジェクトを完遂させることができました。
この実績が評価されたのでしょうか。次にアサインされたのは、別の大手コンビニチェーンのWi-Fi環境刷新でした。しかも、身の丈に合わないリーダーに任命されたのです。スタートして驚いたのは、あと1週間でプロジェクトが始動するのに、何も決まっていなかったことです。そこからいろいろな仕組みをつくり、必要なシステムを決め、マニュアルを作ってチームメンバーに配布して、どうにかプロジェクトを回せる準備を整えました。前回のコンビニ案件のノウハウや先輩方に教えていただいたことをフル活用しながら、加えて優秀なチームメンバーの支えもあり、このプロジェクトも無事にやり遂げました。
2024年からは、現職のデリバリマネージャー業務に従事しています。これは受注したサービスをトラブルなく納期通りに進める“高品質”、ムダな作業を発生させない“高効率”を心がけ、後工程のバックオフィスに流す業務です。プリセールスやSOの現場で培った経験を生かし、常にお客さまや営業担当に寄り添いつつ、手戻りがないようバックオフィスの負担軽減を意識した対応を行っています。前工程にも後工程にも配慮ができるようになったのは、いろいろな現場を経験したおかげだと思います。
人や組織を動かすエンジニアとして未来をつくる
今期の未来ワーキングは、若手10名で構成されています。どうすれば会社が成長していくのかという意識を持ちつつ、自身のキャリアアップのために仕事に真剣に向き合っているメンバーが集まっています。話をしていても仕事の愚痴にはならず、前向きな話題ばかりになるので参加していて楽しいです。会社を俯瞰して課題を設定し、解決策を検討するといった取り組みは、最高に面白いと感じています。
現在は、社内情報のさらなる透明化を目指して取り組んでいます。dBEには社内ポータルサイトがあり、メールやチャットで情報を周知・共有する文化がある一方、他部署のトピックスなどの情報が見えづらいという課題があります。そこで開示可能な情報をオープンにすることで、社員一人ひとりが必要な情報を自分で取りに行ける仕組みづくりを検討しているところです。もちろん、実現のためには管理職の負担など考えることは多々あります。これらの課題をクリアにしながら、たとえば未来ワーキングのメンバーが管理職になるころには、しっかり定着させたいと考えています。
メンバーに限らず、dBEには会社や仕事のことが好きで、会社のために恩返しがしたい、会社を大きくしたいと考えている社員が多い印象です。自身のキャリアアップのために転職が当たり前の時代では、かなりレアケースかもしれません。その背景にあるのは、当事者として向き合える仕事に出会える職場環境です。年齢や経験を問わず、求める人には身の丈以上の挑戦の機会が与えられ、そのたびに成長を実感できる企業文化だと思います。
座右の銘は聖書の有名な一説「求めよ、さらば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。門を叩け、さらば開かれん」です。これまで10回以上観ているドラマに出てくる妖精の言葉です。仕事で悩んだり、迷ったりしたとき、この言葉が背中を押してくれます。これから先も、自身に関わるいろいろなことに対して当事者意識を持ち、キャパを超える仕事や役割でも果敢に挑戦することを忘れずにいたいです。そして0から1の新事業を生み出す、あるいは既存のサービスに付加価値をつけて会社を成長させる社員の1人を目指したいです。入社前はプログラムや機械を動かすエンジニアを目指していましたが、いまはお客さまや社員、そして組織を動かすエンジニアになりたいですね。
OFF TIME
よく晴れた日の昼間限定ですが、洗濯をして、洗濯物を干して、畳んで、しまうのが好きです。お酒を飲みながら、手の込んだ料理をつくるのも好きです。好きでやっているので、決して「妻と家事を分担している」とは言えません(笑)。休日は、独身時代からの趣味であるゲームしたりして、過ごしています。
PROFILE
平賀 瑞生
2016年、就活で出会った先輩社員に憧れてNTTドコモビジネスエンジニアリングに入社。プリセールス、SOの現場で培った経験を生かし、現在はデリバリマネージャーを担当している。常に身の丈を超える業務や役割にも果敢に挑戦することを心がけており、会社の未来を切り開き、成長させる一員になりたいと考えている。