グローバルで幅広く社会に貢献する決意を胸に
大学は法学部でしたが、在学中は多めに英語の授業を受講しました。夏休み期間にも語学学校に通って、英語を学んだこともあって、就職活動では幅広く社会に貢献できて、グローバルに活躍できる仕事を求めました。
最初に配属されたのは、グローバル回線の故障対応を行う保守部門です。入社から2年ほど過ぎたころ、お客さまの国際衛星ネットワーク回線の保守に携わりました。日常の保守だけでなく、通信品質を向上させるために海外キャリアと連携しながら、「予防保全」というお客さま拠点内の衛星回線機器の設備・機械の故障を未然に防ぐための定期的な点検や保守作業のチェックなどを実施しました。アフリカや中東、アジアなどのお客さまサイトへ回線を提供する海外通信キャリアとの交渉を経て、予防保全によって実際に故障率が低下できたことで、お客さまに喜んでいただけたことが印象に残っています。
現地キャリアとの交渉を通じて、たとえ困難だろうと感じたことでも、腹を割って相手に相談すれば、意外に好転することがあることを実感しました。さらに、「ここまで成し遂げられれば、お客さまも喜んでくれるだろう」という具体的なプランを描くようになりました。まず相手のこと考えてから仕事を進めるスタイルは、ここで覚えました。この取り組みによって社内表彰も受賞でき、お客さまに寄り添う仕事の楽しさを知りました。
その後、グローバル回線関係のフロントバックヤードやサービスマネージャーなどを経て、現在はプロジェクトマネージャーを担当しています。立ち位置は変わっても、基本的にネットワークを通じて、海外に拠点を持つ日本企業のお客さまをサポートする仕事というのは変わりません。英語は日常的に使いますが、ビジネス英語的に優れているかどうかはそれほど重要ではないと思っています。それよりお客さまや仕事をする相手の目線に立ち、誠実かつ論理的にきちんと相手に伝えることを心掛けています。
人と人を結ぶコミュニケーションスキルを武器に
現在のお客さまは金融系のお客さまが多いため、より一層、納期の絶対厳守という意識が強くあります。しかも高い品質が求められますので、ネットワークの二重化をはじめ、しっかりとリスクを踏まえたご提案をすることで、お客さまに満足いただけるようなサービス提供を目指しています。とはいえ、お客さまの前に立つことはあまりなく、基本的には営業担当などの後方支援というスタンスですが、営業担当に提案に関するアドバイスをしたり、現地のお客さまとの会議にオンラインで参加することもあります。
グローバル回線の受付から納品まで一連の流れを管理するデリバリ業務を経験して、さまざまなノウハウを蓄積することができました。サービスの枠にとらわれることなく、あらゆる情報を把握した上で、的確な指示を出すのがプロジェクトマネージャーの役割です。お客さまはもちろん、現地キャリアなどの関係者ともじっくり話をして、いかにお互いがWin-Winになる落としどころを見つけられるかがポイントです。専門的なIT用語を覚えることも大切ですが、どちらかというと議論をしたり、相談を持ちかけたり、合意を得たりといったコミュニケーションスキルが求められる仕事だと感じています。
これまでの仕事で特に印象に残っているのは、ネットワークを100Mbpsにスピードアップする案件のプロジェクトマネージャーとして参加したときのことです。当時、グローバルVPN(仮想プライベートネットワーク)では100Mを超えるユーザーが珍しい中、多拠点で大容量のネットワークを提供する必要がありました。納期を厳守し、高い品質の担保したうえで、しっかりとした進捗報告を行い、無事に完遂できた体験は私の財産になっています。このとき、周りの人から冗談で“開通女王”と呼ばれました(笑)。
フルリモートで世界に挑戦できる環境がある
今後については、初心を忘れずに、引き続き世界を舞台に活躍し社会に貢献していきたいと思っています。社会貢献というと、大それた印象を持たれるかもしれませんが、目の前にある仕事を1つひとつ完遂し、お客さまをはじめとする誰かのために頑張ることが間接的に社会への貢献につながるというイメージです。日経新聞などで担当する金融機関のお客さまの海外拠点開設などの記事を読むとうれしくなりますし、逆に納期が迫っているときに、街なかでお客さまの広告を目にすると、胸がドキドキすることもあります(笑)。
現在、グローバル回線構築のプロジェクトマネジメントを行うチームは社内に3つあり、それぞれ10名ほどで構成されています。仕事は基本的にフルリモートで、営業担当や海外拠点のお客さま、キャリア担当とのオンライン会議やメール、チャットなどでのやり取りが中心ですので、リモートワークとの親和性が非常に高いです。PCの不具合などの緊急時以外、ほぼ出社する機会はありません。
チームのメンバーと顔を合わせる機会は少ないですが、毎日、定例会議などで緊密なコミュニケーションが取れますので、問題はありません。NTTコム エンジニアリング(以下、コムエンジ)には、社員を育てようという風土があり、私自身、助けてもらったことが多々あります。入社2年目に1人称で仕事が回せるようになったことも、周りのサポートのおかげです。キャリアが浅い人にも重要な仕事が振られますので、挑戦の機会も多くあります。
英語を使う局面が多い仕事ですが、英語が苦手なところからスタートしたメンバーも多いです。働くうちに少しずつ上達していきますので、英語が苦手であることを心配しなくても、大丈夫です。メールやチャットの文面であれば、翻訳ツールや辞書を使えば何とかなりますし、困ったらまわりが相談に乗ってくれます。さすがにリアルタイムに会話する会議などは、最初は難しいですが、聞き取りやプレゼンは場数を踏めば上達していくもので、これまでそういうメンバーをたくさん見てきました。
私はもともと、大勢の前で積極的に話を切り出すタイプではありません。意識的に仕事モードにスイッチを切り替えたうえで、さまざまな国や地域の方とコミュニケーションしています。この仕事に就いていなければ、タイやミャンマー、インドといったアジア圏やアフリカ、中東などの方々と話すことは一生無かったかもしれません。
これまでのコミュニケーションを通じて、国や地域の文化や考え方を学び、自分の生活や考え方にも影響が出ています。いまは、新しい方と話をすることが楽しく、待ち遠しくなっています。今後もコミュニケーションスキルを駆使して、お客さまや営業担当、関係者の皆さまに納得してもらえるサービスを届けていきたいと考えています。「鹿島に任せれば大丈夫。また一緒に仕事をしたい」と思ってもられるような仕事を続けてきたいですね。
PROFILE
鹿島 佳乃
大学の法学部を卒業後、グローバルで幅広く社会に貢献する決意を胸に入社し、コムエンジへ出向。グローバル回線の保守やフロントバックヤード、サービスマネージャーなどを経て、現在はグローバル回線構築のプロジェクトマネージャーを担当している。
まず相手のことを考えて仕事に臨むというモットーを貫いている。