ドコモビジネス|NTTドコモビジネスエンジニアリング

倉光 哲弘

GLOBAL

人の気持ちに寄り添い
自らを磨き続ける挑戦者は
世界中の人々の心をつなぐサービス開発を夢見る

倉光 哲弘

臨床心理学と統計学を携えてIT業界へ

臨床心理学と統計学を携えてIT業界へ

大学では、学生の半数が海外からの留学生で、授業や日常的なやりとりも英語でした。語学部で入学したのですが、1本の映画がきっかけで臨床心理学部に転部しました。それは、「人間とは何だろう」という哲学的な問いを突き詰めたくなったからです。臨床心理学とは、心の問題を抱える人を理解し、援助する実践的な心理学です。大学では対人関係を科学的に解き明かすために不可欠な統計学も学びました。在学中に発生した東日本大震災では、教授の誘いもあり被災した子どもたちのグリーフケア(深い悲しみから立ち直るための支援)活動にボランティアとして参加しました。子どもたちとかかわる際に、大学で学んでいた「受容」や「肯定的な理解」が生かせたことが、貴重な体験となりました。

卒業後は外資系のコンサルティング会社に入社しますが、仕事の傍ら、オンラインで海外の大学のデータサイエンスに関するコースや、統計局の公開講座を受講しました。そのようにして知識のアップデートを続けているうちに、自分の中でデータサイエンスとITが結びついて、IT業界で働きたいという気持ちが募っていきました。そういうタイミングで、NTTコム エンジニアリング(以下、コムエンジ)を知り、グローバルなビジョンと最先端の技術領域に取り組む姿勢に惹かれて、転職を決意しました。

他部署を巻き込んだ取り組みで国家プロジェクトを完遂させる

入社後、最初に配属されたのは、国際電話や国際VoIP(Voice over Internet Protocol)のオペレーション部門です。英語でのコミュニケーションに慣れていたことで、海外の通信事業者との電話会議などを任せられ、多くの経験を積むことができました。さらに、統計学やデータサイエンスの知見を生かして業務の適正化に貢献できたことも、大きな自信につながりました。その後、グローバルIP-VPNやグローバルIPネットワーク、国際海底ケーブル関連の情報統制担当となりました。海外トレイニー制度を利用した海外での勤務経験をはさんで、現在は国際専用線の開通担当として、主に技術面のサポートを行い、チームとしてグローバル規模のプロジェクトを推進しています。現場では海外のチームと連携する機会が多く、大学時代に培った多様性への理解や「相手を受容する傾聴の姿勢」などが役立っています。

通信の世界では、常に送信したデータが相手に届いているのかをチェックし、未送信や誤りがあれば再送や補正が行われます。人間同士のコミュニケーションも、同じではないでしょうか。相手の言葉を受け取り、それに対して自身の理解をフィードバックし、確認し合うことで、行き違いや誤解を減らすことができます。最先端の通信技術を扱うプロジェクトだからこそ、物理的な接続だけでなく、人と人の意思疎通をいかに最適化するかが問われるのではないかと思います。

これまで印象に残っているのは、国際専用線のプロジェクトを担当したときのことです。お客さま企業の日本と海外の拠点を結ぶというものでしたが、新技術への挑戦があったり、今回の拠点間が開通することの世界的な意義も大きかったことから、海外拠点側では国家プロジェクトに位置付けられていました。お客さまの国内外グループ会社のマネジメント層たちが見守る中、現場ではさまざまな想定外の事象が発生しました。自分を含む7名のプロジェクトメンバーは、解決策を求めて専門書を探し、他部署を巻き込んで議論を重ねるなど、必死に取り組みました。それだけに無事に開通してお客さまにお引き渡しができた瞬間は、一同手を取り合って大喜びしました。それ以降、他部署とのつながりも一層強化されましたし、このチャレンジは、自分にとっても非常に意義ある経験となりました。

業務に取り組む一方で、自分自身のアップデートも継続しています。会社が推奨する深層学習系の資格を取得したことを皮切りに、現在も機械学習やAI技術のスキルを高めるための勉強を進めています。より高度なデータ分析やアルゴリズム開発により、チームやプロジェクトに貢献したいと考えています。膨大な資料を効率よく整理するために、生成AIを活用することもあります。もちろん、ハルシネーション(誤情報)のリスクがあるため、最終的な判断や検証は必ず公式の一次情報と照合しています。

世界中の人々をつなぎ、幸せにする仕組みをつくりたい

世界中の人々をつなぎ、幸せにする仕組みをつくりたい

コムエンジには自分から意見を発信しやすく、困ったときには周囲の方々が助けてくれて、たとえミスをしても前向きにとらえて次につなげようとするカルチャーがあります。私自身、過去の経験から「失敗を恐れず挑戦することが成長への近道」だと考える人間です。私の担当業務については、英語のスキルがあるに越したことはありませんが、チームには英語があまり得意ではないメンバーもいます。社内ツールやサポート体制も整っているため、現時点で英語スキルが高くないという方もそれほど気にする必要はありません。挑戦する気持ちをもっていれば、必ずや道は開けるのではないでしょうか

直近の目標は、現在取り組んでいる国際回線の開通プロジェクトで海外の技術チームをリードしながら、ネットワーク技術やAI関連スキルをさらに強化して、実務に直結する成果を出すことです。将来的には新しい通信サービスやAIソリューションの立ち上げにも挑戦したいと思っています。たとえば医療や災害現場といった高リスク環境で、作業者にリアルタイムの“触覚”や“感情サポート”が届けられたら素晴らしいと思いませんか。あるいは感情も翻訳できる異文化コミュニケーションプラットフォームなども面白いかもしれません。それらの技術により、作業者の負担軽減や、お互いを理解し合えるサポートができたらと思っています。そういった、さまざまな人を幸せにする環境づくりに携わりたいですね。

世界は多様性に満ちているからこそ、あらゆる局面で相手の思いを受け取り、理解を深め合うプロセスが重要になります。臨床心理学、統計学、そして国際通信の技術、データサイエンス、AIなど、これまで身につけてきたものを掛け合わせて、いつか世界中の人々の心をつなぐサービスやプラットフォームづくりに貢献したいと考えています。座右の銘は「Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever(明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ)」というマハトマ・ガンジーの言葉です。人生を大切に生き、常に学び続けることを矜持にしています。

倉光 哲弘

PROFILE

倉光 哲弘

大学で臨床心理学を専攻し、コンサルティング会社を経て、コムエンジに入社。グローバルネットワークの現場で活躍ののち、現在は国際専用線の開通担当として、グローバル規模のプロジェクトを推進している。夢は世界中の人々の心をつなぐサービスやプラットフォームつくること。

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