NTTコミュニケーションズグループ

山本 哲朗

PROFESSIONALS

考え抜いた行動で、あり得ないことが当たり前になる
大規模案件で鍛えられ開花した改革者の才能

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  • “根拠のない自信”に背中を押され未知のIT業界へ

    “根拠のない自信”に背中を押され未知のIT業界へ

    キャリアのスタートは、およそITとは無縁の世界。青果物など生鮮食品の流通に関わる仕事でした。その業界で転職を重ね、営業や製品管理、物流管理などに携わります。20代後半にはファミレスや居酒屋、ファーストフードなどの外食業界のお客さまからオーダーを受けて、食材を選別し出荷する仕事をしていました。小さな会社で、トラックでの輸送や契約関連の事務作業、顧客開拓などを兼務。自分たちで仕事を取り仕切っている感覚があってやりがいはありましたが、コスト管理は非常に厳しく、欠品や品質不良、配送遅延といった事柄は絶対NG。毎日が緊張感の連続でとても大変でした。

    体力勝負の現場で、20代はなんとか乗り切れたのですが、30歳を迎えるころになると心身ともに限界を感じてきました。とにかく落ち着いて働ける仕事に就きたいと思い、転職を決意しました。多忙を極めて帰宅もままならず、やむなく窮屈なクルマで仮眠して出勤する生活を繰り返していたせいで、その仕事を辞めてからもしばらくは寝ているときに自然と膝が折り曲がってしまう癖が抜けなかったほどです(笑)。

    転職活動を始めた当初は、業種を問わずに面接を受けて回りましたが、すぐに採用されるほど甘くはありません。世間知らずを痛感しました。当時はすっかり気落ちして、周囲から映る自分はよっぽど自信無さそうにしていたのでしょう。とある会社の面接担当者からは「面接は自分を売り込む場なのだから、もっと自信を持って話したほうがいい」というアドバイスまでいただいてしまいました。これを肝に銘じ、営業担当を募集していたNTTコム エンジニアリング(現社名:以下、コムエンジ)の面接に挑みます。一切の根拠はありませんでしたが、「未経験ですが、できると思います!」とアピールしたところ、採用となりました。おそらくは「よく分からん奴だけど試しに入れてみるか」という感じで採用していただいたのではないかと思っています(笑)。

    大風呂敷を広げたツケは、入社後見事に返ってきます。とにかくITの世界は専門用語が多く、業界ならでは、NTTならではの言葉が現場を飛び交い、まったく理解ができなかったのです。そこから専門用語や現場のノウハウをがむしゃらに吸収していって、どうにか少しずつ営業の仕事を回せるようになっていきました。この時期では、自身で対応できる事柄が徐々に増えて、仕事が自分のモノになっていく充実感を持てた、そんな記憶があります。

    最初に配属されたセクションでは、主にNTTグループ内で利用されるセキュリティ関連プロダクトの営業、販売企画、製品開発や、NTTコミュニケーションズ(以下、NTTCom)との協業によるソリューション営業で、官公庁や法人のお客様向けのIT基盤類の受注活動などに携わりました。

    当時の上司・先輩の方々は、畑違いの自分に対しても親身になってさまざまな指導や支援をしてくださいました。これが自身の成長の大きな助けになりましたし、ここで経験したり見聞きしたりしたことが、以降のキャリアの土台になったと実感しています。

    過酷な大規模案件で開眼した『デリバリ』の極意

    10年ほど、営業担当の仕事に携わった後に人事異動でSOデリバリユニットに移ります。その部隊のミッションは、NTTComが法人のお客さまよりご注文いただいた光回線などのネットワーク商材を、お客様がきちんと利用できるようにすること・・・・・・・・・・・・・・・・・・です。これに関わる一連のプロセスを、私たちの業界では『回線サービスを確実にお届けすること』を配達の仕事になぞらえて『デリバリ』と呼び習わしています。

    一言で『デリバリ』と言っても申込書の起票から始まり、回線をどういうルートでつないでいくのか、という設計、ケーブルなどの資材や機器類といった物品調達、工事を行う日取りや作業人員の手配と納期管理、事前調査、確実な工事完遂のためのオペレーションなど、非常に多くのプレイヤーが関わるプロセスが縦横に存在します。当時は、1000人規模の従業員が在籍する実行部隊の取りまとめを行うセクションに身を置いて、事業計画の策定・管理や大規模な事業移管、オフィスフロア計画の遂行などの、いわばロジスティクス面の仕事に従事しました。ここで約5年間、各領域のプロ集団が業務の最前線でスムーズに仕事をしてもらうための後方支援役を担いました。

    その後、管理職に昇格したタイミングで、デリバリの設計を行う70人ほどの実務チームを率いることになりました。回線をつなぐ最適なルートを考える仕事です。業務の中身はこれまた門外漢で、すぐに役立てそうなことは見当たらず、まずはメンバー一人ひとりの支援をいかに行っていくかが肝要と考えて臨みました。

    ちょうど、NTTComが、全国に1万店舗以上を展開する大手チェーンのお客さまの光回線更改を受注したタイミングで、そこでは現場の若い社員が、業務を効率的に回すため、独自のプログラミングをベースとした自動化施策に一心不乱に取り組んでいました。その内容は技術的に先進的かつ独創性があったのですが、その一方、実行されている中身は、『難解』で『地味』な印象が拭えず、周囲にその凄さがなかなか伝わりません。

    そこで私は、見知っていた他の改善施策との組み合わせやアレンジを提案して関連工程との連動性を高めたり、周囲に事例を積極的に紹介して効果を高めるための意見を募ったり、といった活動に力を注ぎました。その結果、従来は人手で1件当たり20~30分かかっていた作業を最終的に99%自動化し、業務の大幅なスピードアップが実現できました。この取り組みは、NTTCom内の「優良カイゼン事例発表会」で最優秀賞に選ばれました。思えば、ここが大規模案件の入口でした。

    続いて、大手チェーンのお客さまの倍以上、全国に2万拠点以上を展開するお客さまの光回線ネットワーク更改をベースとした大規模プロジェクトの工事調整関連業務の責任者に抜擢されます。通信事業に関わる方々の間では、おそらく後にも先にもここまで大規模な案件は出てこないのではないか、、、、、とうわさされていること、そして何といっても業務内容は質量ともに「超ハード」という評判で非常に名高い案件でした。

    配置早々、早急に数百名規模のプロジェクトチームを立ち上げる必要から、急ピッチでの対応が始まります。スケール、ボリューム感やスピード感等々、すべてがケタ違いな状況のなか、内心は「いや参ったな~、荷が重くて困ったな~、勘弁してほしいな~」というのが正直な気持ちでしたが(笑)、いま思えば自身の劇的な成長につながる、めったに得ることのできない素晴らしく貴重な機会をいただいたなと感じています。現在の自身の多くの部分がここでアップグレードされた、といっても過言ではありません。
    ピーク時は1日500を超える拠点で同時並行的に現地作業が進む大規模案件には、トラブルがつきものです。ひとたび何かが起きれば、すぐにお客さまへの報告が必要となり、即時の詳細説明と問題解決を求められます。お客さま側のプロジェクトメンバーはネットワークにも非常に詳しく、ミッション完遂に向かって高い使命感を持つ方々。説明の不備はすぐに見抜かれ、スケジュール遅延に関して、弁解の大部分は許容いただけません。

    そんなときには、配下の方々には原因究明にむけた諸々の対応指示を出し、自身は急いでタクシーに乗り込みます。車内ではあらゆる手段を使って情報収集や状況把握を行い、お客さまのご意向を読みつつ関係者との折衝や意識合わせを行い、再発防止策を組み立て、、、、、を経て、すぐさまお客さまに対面で報告するのです。このような厳しい状況を繰り返す、いわば“し烈な千本ノック”のおかげで徐々に現場力が身についていきました。

    最初のうちは即座に打ち返されてしまい、幾度も再対応の憂き目に遭うことが多かったのですが、自身の持てる力量を総動員して対応しているうち、いつしか、我々のなかの常識では到底答えを導き出せないと思われていた事柄でも、お客さまのもとに到着する1時間で何とか形にできるようになってきました。これはプロジェクトに関わる社内外の多くの方々の協力が無ければ成し得なかったことで、様々な試練を経て結束が強まった強大なチームワークのもとで仕事ができた喜びを得られました。こういった実体験によって、
    「絶対的に不可能と思えることでも、やりようによっては前に進めることができる」
    ことを体感し会得できたことが、自身のキャリアにとっての最大の収穫でした。

    変化し続ける外部環境へ適応し、共創環境を主導する先に広がる未来

    変化し続ける外部環境へ適応し、共創環境を主導する先に広がる未来

    現在は金融関連のお客さまが利用する、大規模ネットワークシステムのデリバリーマネージャーのチームを担当しています。デリバリーマネージャーは、これまで担当していたポジションより、さらにお客さまに近い立ち位置で、NTTCom営業担当者と密接に連携して、お客さまからのご要望にお応えしていく必要があります。

    これまでの大規模案件で得た改善ノウハウや現場力を生かし、たとえ短時間でもダウンすることが許されない銀行ATM用回線の新設や、事業拠点の統廃合に伴う回線の集約などの対応を行っています。

    ここ最近ですとコロナ禍関係での国策に関わるような事案では、特段に高い即時対応が求められます。そういう状況にも迅速に対応できるよう、日ごろから広い視野で情報をキャッチアップし、関係先との情報連携を徹底しています。単なる情報伝達だけでは要件の本質を取り逃がし、それがミスやトラブルに発展する恐れがあるため、送り手と受け手とが同じ理解度・認識になるようコミュニケーションすること(=相手目線・・・・)を心がけています。

    もうひとつ日々の業務で大事にしていることは、受託業務の大部分を占めるNTTComとの関係づくりです。NTTComグループ内には、『OneTeam』で物事に取り組む良い面が非常に浸透している一方、ともすれば身内意識でゆるみが出やすい環境であることも否めません。直接的な利害関係者のみならず、回線サービスを提供するお客さまのビジネス推進やエンドユーザーの利便性を意識して常に真摯に仕事に取り組み、相手からの信頼を重ねることでしか未来の受託継続や拡大にはつながりません。この「信頼・・」と「継続・・」を大事にして仕事をしていくことを、チームメンバーに対して「私自身が主導していきます」と宣言し、「一緒に取り組みを進めていきましょう」と呼び掛け続けています。

    もともと私はまったく異なる業界からITの世界に飛び込んだわけですが、入社以来、ずっと心がけていることがあります。それは難解な専門用語を、自分自身に“腹落ち”させるわかりやすい言葉に置き換え、誰にでも説明をできるようにすることです。コムエンジには、各領域に精通したプロフェッショナルが多数在籍しており、それは我々組織の価値の源泉そのものなのですが、時にはそれぞれの専門性の高さゆえに部門やチーム間の合意形成が妨げられることもあります。そんなとき、なぜかまったく違う畑から出てきてしまった自分が、わかりやすい言葉に置き換えてお伝えしていき、それぞれの言い分の“間を取る”調整を行うことで問題解決の助けになれたとき、あるいは事業の意思決定を促進することができたとき、この領域こそが組織のなかでの自身の存在意義なのだな、と実感します。

    そのような強みを生かし、組織を横断する共創環境をつくり、新しい働き方や価値創出などに貢献していくこと、ぜひこの先のキャリアで実現していきたいところです。
    画期的なアイデアは、待っていれば降りてくるものではなく、
    諦めずに考え抜く執念の末に生まれてくるもの
    というのが最近のモットーです。現状を疑い、高い理想を持ち、そこに少しでも近づこうと考え、行動し続けなければ未来は切り拓かれません。

    わたしたちコムエンジを取り巻く事業環境では、今後より激しく変動する市場のなかで、いかに通信サービスを軸とした付加価値をお客さまに提供し続けていけるのか、という真価が問われています。この課題に向き合い、今後はデリバリの現場で身についた現場力、調整力を土台に、大きなポテンシャルを持つ若い世代の方々と、“共創”してさまざまなビジネスを展開してきたいですね。

    ◇OFF TIME
    郊外に引っ越したことがきっかけで、ここ数年バードウォッチングにはまっています。自宅の裏手の神社に営巣するツバメの鳴き声に導かれ、書籍などで調べるうちに興味を持ち、望遠鏡やカメラなどのグッズを続々と調達しています。市街地であっても四季折々でいろいろな鳥が飛んでいて、注意深く歩いているとさまざまな発見を得られることに楽しみを見出しています。鳥の姿形の見分け、鳴き声の聞き分け等の“識別力”を極めて、いずれ子どもに伝授したいと思っています。

    山本 哲朗

    PROFILE

    山本 哲朗

    2002年にNTTコム エンジニアリングに入社。約10年の営業担当を経て、光回線のオーダー受付や調整、設計、開通統制などを行うSOデリバリユニットへ。バックヤードからの現場支援や大規模案件の所内設計、工事調整などを担当。現在はSOフロントユニットで金融系の顧客のデリバリーマネージャーとして、「ひらめきとは考え抜いた執念の先にある」という信念でデリバリのプロフェッショナル集団を率いている。

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